高齢者肺炎球菌
65歳以上の方の肺炎は命に関わる大変な病気です
肺炎で亡くなる日本人の97.9%が65歳以上の高齢者です(2021年)。
年をとるとともに身体の機能は衰え、病気に対する抵抗力(免疫力)も低下し、肺炎のリスクが大きく増加します。
また、喫煙歴の有無や喘息などの呼吸器の病気、心不全など心臓の病気、糖尿病といった持病をお持ちの場合、ご家族の肺炎のリスクは増大します。
肺炎のリスクと予防方法を知り、ご家族の健康を見守ってください。
肺炎は「風邪をこじらせたらかかる」「冬に多い病気だろう」と思われている方も多いでしょうが、細菌やウイルスなどが、からだに入り込んで起こる命にかかわるたいへん危険な肺の感染症です。
症状としては、発熱、咳や痰、息苦しさや胸の痛みなどがあげられます。
肺炎の原因となる細菌やウイルスはどこにでもいて、普段、元気な方でも、持病の悪化や、体調不良などからだの抵抗力(免疫力)が弱まったときかかる病気なのです。
肺炎が重症になれば死ぬこともあるのです!
日常でかかる肺炎の原因菌で最も多いのは肺炎球菌です。
また肺炎球菌が引き起こす主な病気としては肺炎、気管支炎などの呼吸器感染症のほか、副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎などがあります。
「肺炎球菌ワクチン」はこのもっとも頻度が高い肺炎球菌を予防するワクチンです。
当然ながら、肺炎球菌以外の微生物による肺炎の予防効果はありません。
くれぐれも「肺炎球菌ワクチンはすべての肺炎に有効ということではない」ことを理解してください。さらにこのワクチンには「肺炎予防効果」とともに、肺炎球菌による肺炎になっても軽症ですんだり、抗生物質が効きやすいなどの効果もあります。肺炎球菌ワクチンとは、肺炎球菌によって引き起こされるいろいろな病気(感染症)を予防する効果のあるワクチンです。
肺炎の症状は、風邪の症状に似ていることも多く、「発熱・咳・痰・息苦しさ・胸の痛み」などがあります。これらの症状でつらい場合は、できるだけ早めに病院で診察を受けましょう。ただし、すべての方に、これらの症状が出るとは限りません。年齢があがるほど、
熱や咳が出ず倦怠感が続く、食欲がない。
など、症状がわかりづらい場合があります。
元気がない、ちょっと変だぞ!
という場合には、必ず病院を受診してください。また、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンを接種していても、ほかの病原菌などにより肺炎が起きることもありますので、症状がある、もしくは不調を感じる場合には、必ず病院を受診してください。
でも、一番大切なのは、
肺炎にならないこと
つまり、
予防が大切
なのです。
肺炎球菌ワクチンは安全ですか?
インフルエンザワクチン並に安全です。
安全性は高いといわれ、重篤な副反応は極めてまれです。
よくみられる副反応には、注射部位のかゆみ、疼痛、発赤、腫脹、軽い発熱、関節痛、筋肉痛などがあります。接種日から2日後にかけて腕の疼痛などの局所反応は2~3%、筋肉痛37.5度以上の発熱は10%以下です。多くは1~3日で消失します。
ワクチン再接種は?
ワクチンには、病原体を弱毒化した「生ワクチン」とホルマリンなどの薬剤処理で毒素活性を消失させた「不活化ワクチン」がありますが、肺炎球菌ワクチンはこの不活化ワクチンです。抗体価は接種1ヶ月後で最高値となり、その後4年間はあまり低下しませんが、 5年後にはピーク時の80%にまで抗体価が落ち、以後徐々に抗体価は低下します。しかし、5年目以降も効果は持続します。
インフルエンザワクチン接種の場合には、2回目の接種で1回目以上に抗体価が上昇する「ブースター効果」がみられますが、肺炎球菌ワクチンではそのような増強効果はみられません。逆に、短期間で再接種を行うと接種した部位での強い副反応が増加します。
日本での重篤な副反応の報告は3例で、アナフィラキシーショックはなく、死亡例もない。重篤な副作用は、いずれも基礎疾患によるものか、副反応によるものかはっきりしないものでした。「ニューモバックス」では、2例/1千万例の頻度でアナフィラキシー様反応(急激に起こる重篤なアレルギー反応)がみられたとの報告もあります。「初回接種はインフルエンザの予防接種と同じくらい安全」と考えてよいと思います。
ワクチンの效果が下がるのを心配して再接種をお考えの方は5年以上間隔をおけば副反応も減り、大丈夫なようです。
費 用
原クリニックは綾瀬市・座間市・海老名市にお住いの方の肺炎球菌予防接種を、市の助成を受け接種できる医療機関です。
対象(令和6年度について)
綾瀬市
- 当該年度に65歳以上になる方(昭和35年4月1日以前生まれの方)
- 予防接種を受ける日に満60歳以上65歳未満の方で、呼吸器疾患、心疾患、腎疾患等で医師が必要と認めた方及びヒト免疫不全ウィルスにより免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害のある方(身体障害者手帳1級に相当)
※前回の接種より5年間経過していると、再接種が受けられます。(綾瀬市の助成は生涯2回まで)
(初回接種よりも注射部位の痛み、腫れなどの副反応が強くでることがあるため)
座間市
- 接種日に65歳の方(66歳以上の方は市の助成ありでの接種は出来ません。自費で8,500円で接種出来ます)
- 60歳から64歳までで、心臓、腎臓、呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害を有する方およびヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害を有する方で身体障害者1級に該当する方
※ 過去に接種したことのある方は助成金での接種はできません。
自費での接種となります。
海老名市
- 接種日に65歳の方(66歳以上の方は市の助成ありでの接種は出来ません。自費で8,500円で接種出来ます)
以下の対象となる方に市役所よりハガキが届きます。接種の際はハガキの持参が必要です。
(昭和34年4月2日~昭和35年4月1日生まれの方)予防接種を受ける日に満60歳以上65歳未満の方で、ヒト免疫不全・心臓・腎臓・呼吸器機能で身体障害者1級に該当する方
※ 過去に接種したことのある方は助成金での接種はできません。
自費での接種となります。
接種期間
令和6年4月1日~令和7年3月31日(綾瀬市の助成は6月1日~)
予防接種の費用
65歳以上の方 | 65歳以上で市民税 非課税世帯の方 |
65歳以上で生活 保護受給世帯の方 |
|
---|---|---|---|
綾瀬市 | 3,000円 | ※1 0円 | ※1 0円 |
座間市 | 2,000円 | - | ※2 0円 |
海老名市 | 3,000円 | ※3 0円 | ※3 0円 |
※1 免除証明書を市役所よりいただき、来院してください。
※2 生活保護受給の方および中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律による支援給付を受けている方
※3 対象者 以下の対象者は物をお持ちいただく書類がございます
生活保護受給者・・・生活保護受給者証又は証明書
海老名市予防接種無料受診証をお持ちの方
市県民税非課税世帯・・・市県民税課税証明書
介護保険料決定通知書兼特別徴収開始通知書の所得区分が第1~3段階の方
介護保険料納入通知書の所得区分が第1~3段階の方
介護保険負担限度額認定証(有効期限内の物)
後期高齢者医療限度額適用・標準負担額減額認定証(区分Ⅰ・Ⅱ)
ニューモバックス | 8,500円 |
---|---|
バクニュバンス(公費補助なし) | 9,500円 |
原クリニックへの予約の方法
綾瀬市
- 健康づくり推進課(保健福祉プラザ内)(0467-77-1133)へ連絡または直接窓口へ申し込んでください。
- 問診票が届きましたら、原クリニック(0467-79-8348)へご連絡ください。
座間市
- 原クリニック(0467-79-8348)へ直接ご連絡ください。
過去に一度でも接種歴のある方は公費対象外となります。
海老名市
- 原クリニック(0467-79-8348)へご連絡ください。
問診票はクリニックにございます。
接種の際に海老名市よりご自宅に届いているハガキをお持ちください。
過去に一度でも接種歴のある方は公費対象外となります。
インフルエンザによって細菌性肺炎が起こります。
市町村によってはインフルエンザワクチンの予防注射の補助を行っているところが多く、原クリニックでは綾瀬市、座間市、海老名市の65歳以上の方を接種が受けられます。他の市町村の方も各役所にお問い合わせください。
肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンと同時に接種することは可能ですか?
可能です。
肺炎球菌ワクチンは1回打つと5年間以上効果が持続します。繰り返します。病気は
予防が大切です!
インフルエンザワクチンは毎年、秋口から接種がはじまりますが、
肺炎球菌ワクチンは、季節を問わず、接種することが可能です。綾瀬市の補助は毎年6月から翌年の3月までです。
お気軽にご相談ください。