心療内科

心療内科について

日曜日も診察しています。

東名綾瀬スマートインターを降りてすぐ

心療内科の初診はお電話で予約をお願いします。
待ち時間の少ない時間帯をご案内いたします。

※予約制となります(当院では18歳未満の方の診察はいたしかねます)
初診の心療内科の診察は月曜日・金曜日・土曜日・日曜日となります。

治療が難しい方、自殺企図の強い方、統合失調症、発達障害等の専門性の高い疾患は、他の専門機関にご紹介したり、お断りする場合があります。ご了承ください。
また、当院ではカウンセリングは行っておりません。

次の項目が気になる方は一度、原クリニックを受診してみて下さい。

  • 体調が良くないので病院に行ったけれど何でもないと言われてしまった。
  • よく眠れない。寝た気がしない。
  • 仕事や学校に行きたくない。
  • 人と会うのが億劫になった。
  • 何をやっても楽しくない。
  • 気分が沈みがちである。
  • 電車や人ごみが苦手。
  • ひどいあがり症で会議での発表などで手が震えてしまう。
  • お腹の調子が悪い。張る。ゲップが多い。
  • ずっと下痢が続いるが、検査をしても何でもないと言われた。
  • 胃痛、嘔気・嘔吐がある。
  • 胃から酸っぱい水が口の中にこみ上げるが、逆流性食道炎の薬を飲んでも良くならない。
  • 食欲がなく痩せた。
  • むしょうに食べてしまう。
  • 喉に何か詰まってしまっている感じがする。
  • 歯や舌が痛い
  • 動悸がする。
  • 息が苦しい。
  • 片頭痛がひどい。
  • めまいが続く。
  • 肩凝りがひどい。
  • 手や足が痺れる。
  • 坐骨神経痛・腰痛が治らない。
  • 原因不明の体の痛みが続いているが一向に良くならない。
  • 戸締り・電気の消し忘れが気になってしかたがない。
私は怠け者なだけなの

「気のせいだ」
「根性がない」
「怠け者だ」
「気が弱い」
と言われ、
「頑張れ!」
と言われてしまうだけ。
自分で自分を責めてしまう。
自分をダメな人間だと思ってしまう。

原クリニックでは、きちんと内科的な検査した上で問題について一緒に取り組んで行きます。

心療内科

心理的な原因が影響していたら
一緒に解決して行きましょう

一人で悩んでいるより、まず、一度、来院してください。その一歩が元気になる一番大きな一歩なのです。

私って病気なの?

心療内科どこから病気なのでしょう?
病院にかかっているから病気?
自分がしっかりしていないだけ?
気のせい?
怠けているの?
頑張れば良いの?
だめ人間なの?

実際には境目があるのでしょうか?

人間は生き物です。日常生活が辛くてうまくいかなければ病気と考えて良いでしょう。
あなたに責任は無いのです!

私たちはあなたが病気かどうかを問題にしているのでは無いのです。
あなたが快適に暮らして行けるように一緒にやりましょう。

日常生活をなんとかやって行ける人でも辛いとか、苦しいとか、不自由を感じるなら解決のひとつとして一緒に取り組みましょう。

誰もが毎日が楽しい、今日はこういうことをやろうとポジティブにいられるように、
毎日、楽しくやりがいがある生活を送って頂きたいのです。
輝くあなたになって頂きたいのです。

元気になった3週間後のあなた、3ヶ月後のあなた、3年後のあなたから今のあなたに
「ほうら、こんなに元気で楽しいんだよ!」と語りかけて欲しいのです。

霧の立ち込める森の中を歩いていたら、いつの間にか霧が晴れ、光輝く草原が広がっていたというような体験を味わって欲しいのです。

どうしたら元気になるの?

あなたに影響を与えているさまざまな問題も、受け止め方や生活のしかたで解決できることがたくさんあります。
受け止め方、言葉の使い方も大切ですね。

失敗した                               ⇒ ためになった

あんなことしなければ良かった ⇒ やってみたからわかった。これからは、こうしよう。

雨が降ったから、風が強いから、暑いから、寒いから、、、。
いくら言ったって文句を言っても変わりません!
受け入れましょう。
いいじゃない!

過去のこと、後悔は、未来をより良く生きるために生かすものです。ただ悔やんでいるのは辛いだけで意味はありません。

魔法のことば『なぜ

親から、先生から、上司から、
そしていつの間にか、誰にも言われないのに
自分で、自分のことをがんじがらめの規則や道徳観で縛っていませんか?
親や、上司の気に入るようにしてきませんでしたか?
そして、自分を苦しめていませんか?

有給休暇が残っているのに、休まずに会社に行かなければ行けない。
どんなに忙しくても、報告書(宿題)を期限までに(いや、期限より早く?)提出しなければいけない。
上司(先生、親)の気に入るような答えをしなければいけない。
営業のノルマをあげなければいけない。
部下の教育をしなければいけない。

「なぜ、そんなことをしたんだ?」
「どうして、しなかったんだ?」

「なんで、リストカットしたの?」
「なんで、お母さんの悲しむようなことをしたの?」
「こんなことしたら、恥ずかしいでしょ?」
「みんなは、○○しているでしょ?あなたはどうしてできないの?」

誰だって、本当は、好きで自分の体を切ったり、痛めつけたりしませんよね。
誰だって、周りの人に好かれたいですよね?
本当は、誰だって、自分の思いやまわりの期待通りにやって、喜ばれたいですよね?
でも、それが、うまくいかなかった。
苦しかった。
自分で自分を責めていた。

苦しみから解放されることばがあります。
それは、
『なぜ?』
です。
自分自身に、
苦しんでいる人に、

「なぜ、しなきゃいけなかったの?」
「なぜ、したの?」

と、問いかけてください。
返って来た答えに、
何回でも、繰り返し訊いてください。
5回も繰り返し訊くと、
答えは、最後には、

「しなくても、良かったんだ」
「して良かったんだ」

にたどり着きます。

やらなければいけないと思っていたこと、
してはいけないと思っていたことは、

そうではなったんです!!
自分を縛っていたものは、縛られなくても良かったんです。

呪縛から開放されましょう!!

一度、肩の荷をおろしましょう。
本当にやらなきゃいけないこと、やってはいけないことなんて、
ほんの少ししかないんです。

だから、まず、まわりの人が、
そして、自分自身で、

「辛かったね」
「苦しかったんだね」

と、言ってあげましょう。

じゃあ、責任はみんな放棄してもいいの?

みんなに申し訳ない。
会社で自分のやりたかった仕事が出来なくなってしまう。
と心配していますか?

では、みんなで、楽しい仲間とピクニックに行ったとしましょう。

あなたは、疲れてしまいました。
目的は、楽しく山の頂上に行くことです。
荷物を降ろして、休憩して、元気な仲間に荷物を持ってもらいましょうよ。
そして、体力が回復したら、また、荷物を担いでいけばいいじゃないですか。
そのときに、疲れている仲間がいたら、その荷物を、
今度はあなたが持ってあげればいいじゃないですか。

元気になったら、
今度は、

「やりたい」
「やらせてくれ」
「任せてくれ」

と思ってやればいいのです。

今までは、やらされていると思っていた仕事を、
今度は、あなたが自分の意思でやるのです。

相手の立場になって考えてみたら?

会社がストレスで、、、。
上司にすぐ怒られる。
「あのやろう、俺がちょっと失敗すると、すぐ怒りやがる」

上司の立場になってみましたか?

「今度、入った新人のやつ、
失敗ばかりしやがって、気の休まるときがないぜ。
いつも俺がしりぬぐいだ!」
そう思っているのではないでしょうか。

そう思えたら、

「上司に申し訳ないことをしていたんだな。
俺みたいに、失敗ばかりしている部下がいると、
いつも頭に来ていなければならないんだな。
自分が原因だったんだから、怒られても仕方がないな。
上司には申し訳なかったな。」
と思えるでしょう。
気が楽になりますね!

上司に言いましょう。

「私みたいに失敗ばかりしている部下がいると、
気の休まるときが無いですね。
申し訳ありません。」

上司は、きっと、
「こいつ、可愛いところがあるな。
俺も若いときはよく失敗したもんな。
怒りすぎてたな。」
と思うでしょう。
優しくなるかもしれません。

相手の良いところを見ましょう。

相手の欠点・嫌だと思うところを見るよりも、良いところを考えましょう。
同僚のF君、仕事は遅いし、頼んでもなかなかやってくれない。でも、彼は、最後まで仕事をやりきるし、人の悪口を決して言わないな。
恨み・つらみが無くなります。自分が楽になります。

薬を飲むのが心配?

いわゆる抗うつ薬、抗不安薬といったものですが、薬の作用を聞いただけで抵抗感を感じてしまう人がいます。薬があなたの病気を作っているわけではありません。適切なお薬はあなたの問題を解決する助けになります。お薬を飲んでも、人格が変わってしまったり、異常行動をとったり、判断力がおかしくなってしまうわけではありませんから、試してみてからでもやめられます。
心療内科の薬は飲みだすとなかなかやめられない薬、依存がでる薬、怖い薬と思っている方がいらっしゃいます。原クリニックでは、SNRI・SSRIといった依存が出ない薬を中心に治療を行います。

  • 調子が良くなったときに、薬の効果で改善している人は急に薬を中止すると前の状態にもどってしまうことがあります。
  • いっぺんに止めてしまうと薬を止めて2~7日目頃に離脱症状という一時的な不快感が出現することがあります。診察を継続しながら、数週間から数ヶ月かけて減量していけばこのような心配はありません。

あれ程、長く、苦しい時があったのですから、じっくりやって行きましょう。大切なのは薬を止めることではなく快適に暮らすことなのです。

不安障害と説明されたのに抗うつ薬が処方された。飲みたくなくなった。

SSRI・SNRIなど、薬を調べると、「うつの薬」となっているものが殆どです。日本では、不安障害に使う薬のほとんどはうつの薬「抗うつ薬」に分類されています。なぜ、そうなるか?それは不安障害の延長線上に「うつ」があるからです。いろいろ心配事があると気分が落ち込んできて、食欲がない、眠れないとなってきてうつになる人がいるからです。不安障害でもうつでも、使う薬、投与量とも同じことが多いのです。自分か変わってしまったり変になったりすることはありません。飲み始めたからと言ってもいつでも内服は中止できます。安心してのめる薬です。

治療にいくらかかるの?
保険診療です。

安心して受診して下さい。
お薬は患者さまご自身と相談しながら最善のものを検討していきます。
経済的に問題がある場合は自立支援制度という治療費の補助があります。ご相談ください。

いつまでお薬を飲むの?いつ良くなるの?

良くなる力は皆さんひとりひとりが持っています。
薬はわたしたち生物である人間の脳(こころ)の物質の状態を改善してくれます。低下した意欲を向上させてくれます。変わって行こう、変えて行こうとする意欲を増す助けになります。
その意欲であなたは変わるのです。
あんまり、先を見ると辛いものです。今日1日を快適に過ごすことが明日につながります。今日を大切にしましょう。高い山に登るのに、頂上ばかりを見ていたら疲れてしまいます。身近な足元の綺麗な草花や周りの景色を眺めてください。1歩1歩歩いていきましょう。

調子が良くなるとすぐ薬を減らそうとする人がいます。そのたびに調子を崩し、なかなか良くならないと思っている人がいます。調子が良くなったら維持してください。『自信』が大切です。薬を飲んで元気になると、自分が楽になるだけではなく、自分の醸し出す雰囲気が良くなります。周りの人へ与える印象が変わります。調子の悪いときは嫌なオーラを出しているものです。調子が良くなるとオーラも良くなり、周りの人の自分への接し方が良くなります。付き合いやすくなるのです。周りの人がみんな良い人になって見えるようになります。自分もまた付き合いやすくなります。
一般的に、調子が良くなってから、同じ量で1年間は続けたほうが良いと言われています。
それより早く止めてしまうと再発率が高いのです。
人間はすぐには変わりません。
環境もすぐには変わりません。

私たちの目標は薬を止めることではありません。
一番大切なことは快適な日々を送ることではないでしょうか?

薬は癖になるの?『薬物依存』について

『薬物依存』になりやすい薬、ならない薬があります。

毎日飲んでいた方が調子が良い薬と
飲まなくては我慢ができなくなってしまう薬

心療内科

とは違います。飲まないと我慢できなくなってしまう薬は、飲んだ時にすぐスーっと楽になる薬です。すぐ楽になる薬は良いように思われますが、このスーっと楽になるのが曲者です。依存につながります。この依存になりやすいのがベンゾジアゼピン系の薬です。
原クリニックでは癖になりやすいベンゾジアゼピン系薬剤をなるべく使わない治療を心がけていますが、今がつらい人には、依存のないSSRIやSNRIを開始するとともに、ベンゾジアゼパム系の薬も併用して今の辛さを取っていくことも大切だと思っています。辛さが無くなれば、ベンゾジアゼピンは必要なくなります。止められます。
ベンゾジアゼピン系の薬とは、いわゆる精神安定剤や睡眠薬です。デパス(後発品;エチゾラム)・ホリゾン・セルシン(2つとも同じ薬。後発品;ジアゼパム)・ワイパックス(ロラゼパム)・ソラナックス・コンスタン(2つとも同じ薬。後発品;アルプラゾラム)・リーゼ(後発品;クロチアゼパム)・レンドルミン(ブロチゾラム)・サイレース(フルニトラゼパム)・ベンザリン(ニトラゼパム)・ハルシオン(トリアゾラム)、近い薬として、マイスリー(ゾルビデム)などです。良いところはすぐ効くので今の辛さが取れます。「効く」と感じます。欲しくなります。だからと言って、みんな依存症になってしまうわけではありません。お酒やたばこのことを考えてみましょう。お酒が好きな人がみんな朝から晩まで飲んだり、深酒を繰り返すわけではありません。
ベゾジアゼピン系薬は辛さが取れてくると必要がなくなってしまうことが多いのです。いらなくなるような治療をしていきます。依存の出にくい薬はすぐ効きにくい薬です。これが、いわゆるSSRIやSNRIといわれる薬です。ゆっくり効いてきます。1か月以上かかって効いてきます。良く、しっかり効きます。

『自分が変わってしまうのではないか。自分が自分でなくなってしまうのではないか』
自分は変わりません。判断力・性格は変わりません。イライラや強いこだわりは緩和されます。気分が楽になります。

心療内科にかかっていることが知っている人にわかったらどうしよう?

原クリニックは風邪や胃腸炎の患者さん、糖尿病などの生活習慣病、消化器の患者さんを診療しているクリニックです。いろいろな患者さんが来るクリニックですから安心していらして下さい。

診察室は前後のドアが閉まり個室化できます。コロナの時代ですからなるべく開放したいので必要によって個室化します。プライバシー厳守のクリニックです。

私たちの強みは精神科・心療内科の専門クリニックではないことです。

原院長は精神科の専門医ではありません。

  • 動悸がする
  • 息が苦しい
  • おなかの調子が悪い
  • 手や足、頭、歯が痛い、めまいがする

といった肉体的な症状があって、内科、循環器科、消化器科、整形外科、脳神経外科、歯科などを受診して、一向に良くならない、

「精神的なものでしょう」といわれた。
「そんなはずない。こんなに具合が悪いのに、わかってくれない。」

精神科、心療内科を受診したら、
「まず、○○科で調べてもらってください」

一体、どこに行けばいいの?

こんな辛さを味わった人がいるはずです。人間は「心」と「身体」が一体です。心の状態が良ければ、身体も元気だし、身体の具合が悪ければ心も晴れません。専門性は低いかも知れませんが、体と心を一緒に診られるところが私たちの強みと考えています。私たちは米国内科学会で使われていた教育プログラム(PIPC:PsychiatryInPrimaryCare内科医が考える精神科疾患の診かた)を学び、実践しています。

心療内科に通院中の人の中に、腰背部痛・坐骨神経痛・強度の肩こり・片頭痛といった痛みを持っている方が多く見られます。心療内科に通院することによって気持ちは楽になっても、体の症状が残ている。でも、心療内科の先生は科が違うから相談しないでいる。精神症状の身体化現象の場合があります。

※統合失調症・注意欠如多動性障害(ADHD)・アスペルガー症候群・精神疾患の詳細な診断等は専門医のいる病院への受診をお勧めします。
※18歳見未満の患者さんについては、精神的に発達段階にあり、家庭環境等の影響が大きく、専門性が高く、また、診察に時間がかかるため、専門施設の受診をお勧めしています。受診をご遠慮ください。

自立支援医療費制度について

心療内科自治体による通院医療費補助制度で、通常の保険診療より格段に負担を軽減できます。

普通3割の自己負担を原則1割に軽減可能です。診療費だけでなく、お薬代にも適用されますので、大きなメリットがあります。
ある程度以上の症状と通院実績があれば即申請可能で、自治体に当院作製の診断書を提出する必要がありますが、手続きはそんなに大変ではありません。
プライバシーは厳密に管理されているので心配ありません。

詳しくは、お住まいの市区町村窓口、居住区管轄の保健所(保健センター)、または原クリニックへお問い合わせください。

TEL 0467-79-8348

~予約のご案内~
診察ご希望の方は予約をお願いいたします。
お電話にて比較的空いている時間帯をご案内させていただいております。

気になる病気について

気になる病気について

気になるけど知りたくない、、、?
知って、安心したい?

私ってうつ病なの?

そう思う人、言われる人、病院で診断される人。
ひとまず、うつ病の診断基準を上げておきます。

うつ病診断基準DSM5

専門家の間でも、うつ病の定義はあいまいです。糖尿病や高脂血症のような数値的な基準がないからです。日本では、アメリカの精神病の診断基準DSM5が広く用いられています。以下の症状について5つ以上の症状を満たし、そのうち少なくとも1つは①または②を症状に含み、症状2週間以上続いているか?

  1. 毎日のように、ほとんど1日中ずっと気分が沈んでいる。
  2. 毎日のように、ほとんど1日中、何に対しても興味がわかず、楽しめない。
  3. 毎日のように、食欲が低下、または体重の増減が激しい。
  4. 毎晩のように、眠れない、または、寝てばかりいる。
  5. 毎日のように、動作や話し方が遅い、またはいらいらして落ち着きが無い。
  6. 毎日のように、疲れを感じたり、気力が湧かない。
  7. 毎日のように、自分には価値が無いと思ったり、罪悪感を感じる。
  8. 毎日のように仕事や家事に集中力がない、決断できない。
  9. この世から消えてしまいたい、死にたいと繰り返し思う。

どうですか?
疲れる、イライラする、決断が出来ない、当てはまるといえば当てはまるし、当てはまらないといえば当てはまりませんね。取りようで5個以上になるし5個以下にもなりそうですね。うつ病だと診断することが問題ではありません。辛さから、解放されることが大事なことですね。

現代型・あるいは新型と呼ばれるうつ病

最近、比較的若い世代(20~30代)の勤労者に多く見受けられる、現代型・あるいは新型と呼ばれるうつ病がクローズアップされるようになりました。逃避型うつ病とも呼ばれますが、いずれも標準化された医学的な定義・分類された病名ではありません。患者さんの症状や行動などは、以下のような特徴があります。

  • 抑うつ気分や死にたいという気持ちは目立たず、倦怠感や虚脱感、疲れやすさが前面に 出る。
  • 会社を欠勤しがちで、特に連休明けや月曜日に多い。
  • 週末は、早起きして、外出やドライブといった気晴らし的な活動は活発にできる。
  • 他人を押しのけるほど自己顕示はしないが、プライドは高くそれを守るのに汲々と しがちである。
  • 人の評価を極端に気にする傾向がある。
  • 自分に対する罪責感があまりなく、どちらかというと「自分がこの状態になったのは、 今の社会が悪い、会社が悪い」といった世間や他人を責める傾向がある。
  • 自分がうつ病ではないかという病識に乏しく受診しない場合もあるが、 逆に自己診断で「うつ病」と称して受診することもある。

「あたっている」「良くわかったね」みたいな感じですね。
なんか占いみたいですよね。

双極性うつ病って何?

うつ病だと言われていたのに、いらいらがひどかったり、買い物衝動や上司との口論などがみられる人は双極性のうつ病(双極性障害)かも知れません。いわゆる「躁うつ病」です。気分の状態を表すと図のようになります。双極性障害もよくある病気です。躁うつ病とうつ病は別な病気だと言われています。治療方法が違います。明らかな躁がみられるタイプをⅠ型、あの人元気で活動的だなと思われる程度のⅡ型に分類されます。

双極性障害よほどの躁状態がある場合以外は躁状態ではクリニックは受診しないでしょう。普通はうつ状態でクリニックを受診します。躁の症状がはっきりしないことが多いのです。うつの治療をしているうちに気分の波の高いところが現れて躁症状が出現します。うつ病の人はうつの治療をしていても波の高い部分はこれほど上がりません。気分安定化薬(デパケン・リーマス)や向精神薬を使います。

自己チェックをしてみませんか?
    • 自分でも不思議なくらい、気分が爽快。元気で、やる気がある。バリバリ仕事ができる。
    • 夜あまり眠らなくても平気。
    • 自信を持って話すことができる。他人からの意見を聞かず、自分の意見が良いと思える。
    • いろいろなアイデアが次々と浮かぶ
    • 金遣いが荒くなり、借金をしても高い物を買ってしまう
    • ちょっとしたことでもイライラし、怒りっぽくなる。上司に口論を仕掛けてしまう。

双極性障害の人は躁状態になるとトラブルを起こしやすく、生きにくいのです。うつ病と双極性障害を区別するのは治療上大切なことなのです。双極性障害の治療は、落ち込んだ感情を上げつつ、高くなり過ぎないように感情の幅を狭くするのです。双極性障害の治療

不安障害ってなに?

「不安障害」にはパニック障害、強迫性障害、外傷後ストレス障害、社交不安障害、全般性不安障害などいろいろなタイプがあります。
日常生活でつらい思いをしていたり、性格の問題とあきらめていませんか。

解決する方法があります。

必要以上に強い不安感が、精神的・体調・行動に影響を及ぼし、日常生活を送り辛くなることです。以下の5つに分類されますが、ほとんどの場合オーバーラップしています。
「適応障害」という診断をされることがあります。
人間は脳でものを考えるとき、神経と神経の繫がりの間を、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパーミンといった神経伝達物質が流れています。これらが不足すると心の状態が不安定になってしまうといわれています。

神経接合部

具体的な精神症状としては、そわそわ感、落ち着かない、集中できない、記憶力が悪くなる感じ、根気がなくなる、刺激に対して過敏になる、イライラして怒りっぽくなる、人に会うのが煩わしい、ささいなことが気になる、とりこし苦労が増える、寝つきが悪く、途中で目覚めるなどがみられます。
身体症状としては、疲れやすい、だるい、頭痛、頭重感、しびれ感、肩こり、腰痛、背部痛、坐骨神経痛(腰から太ももの裏側、ふくらはぎにかけての激しい痛み)、腕の痛み、足の痛みやしびれ、ふるえ、もうろうとする感じ、めまい感、自分の身体ではないような感じ、悪寒や微熱感、動悸、胸痛、息切れ、のどのつかえ、ゲップがよく出る、すっぱい水が上がってくる、胃が痛い、胃がはる、吐気・嘔吐、食欲低下、腹痛、腹部膨満感、下痢、胃の調子がすぐ悪くなる人、腸の弱い人、頻尿、残尿感、尿道の痛み、性器の痛みなどありとあらゆる症状がみられます。痛みの程度は実際の肉体的病気よりも激しいことがよくあります。さまざまな身体症状のため、内科、消化器内科、循環器内科や整形外科、脳外科などを受診しても改善しません。これらの症状はストレスの身体化現象といってよいでしょう。自律神経失調症・更年期障害と診断されることがよくあります。検査をしても何もないのに、逆流性食道炎の症状のあるものは『胃食道逆流症』、胃の症状のあるものを『機能性ディスペプシア』、腹痛を伴う下痢や便秘、下痢と便秘を交互に繰り返すものは『過敏性腸症候群』といいます。
医師からは何でもないよと言われ、辛い思いをすることも多いと思います。仕事や家庭に問題がある場合は「適応障害」と言ったりします。以下の5つに分類していますが混在しています。

全般性障害

心療内科何でも心配な人。薬を飲むのも心配します。心配性です。
コントロールできないほどの過剰な不安と心配が持続するものです。

社会(社交)不安障害

人間関係が苦手、人前でドキドキしたり、赤面してしまう。緊張症・あがり症・引っ込み思案・人見知りといえばわかりやすいでしょうか。

  • 人から頼まれると嫌といえない
  • 反対の意見、自分の意見を言えない。
  • 人にものが頼めない。
  • 仕事を抱え込んでしまって苦しくなる。
  • 人と話すとき、緊張する。
  • 同僚(同級生)にも遠慮してしまう。
  • 人の話の中に入っていけない。
  • 一緒にいる人と何を話してよいかわからない。
  • 人前で手が震えたり、声が震えてしまう。
  • みんなと食事をするとき、落ち着かない。あがってしまう。
  • 周りにいろいろと気を遣って、ストレスがたまる。家に帰ってお酒を飲むとやっとほっとする。
強迫性障害
  • 几帳面・こだわりなひと。
  • 外出時、ちゃんと鍵を掛けたか、電気を消したか、火を消したか、気になって何度も確認してしまう。出かけたのに、もう一度、戻って確認しなくてはきがすまない。時には電車に乗り遅れたり、待ち合わせに遅刻することも。
  • 振込み、人に依頼したこと・約束が気になって仕方がない。
  • もうきれいになっているとわかっていても、何度も繰り返し、手を洗ってしまう。
パニック障害

突然、動悸・息苦しさ・めまいといった症状が出現し、時には自分が自分でなくなったような非現実感と強い恐怖感が出現するものです。何回か起こしているうちに、また起こしてしまうのではないかという更なる不安を持つようになってしまいます。救急車で救急病院に運ばれて、心電図・胸部レントゲン・血液検査などをしても異常は認められません。

  • 電車に乗ると何か起きそうで息苦しくなり電車に乗れない。
  • 自動車の運転をしていて、トンネルや渋滞に巻き込まれると息苦しくなったり、動悸がする。
  • 怒られたり、夫婦喧嘩をしていて息苦しくなり、手足がしびれて、時には突っ張ってしまう。過換気症候群。
外傷性ストレス症候群(PTSD)

過去の激しいトラウマがフラシュバックのように思い出されて発作を起こしてしまう。例えば、津波に流された人が、水の音を聞いて発作をおこしてしまう。

  • 両親や夫のDVのことが思い出して、息苦しくなったり、いてもたってもいられなくなってしまう。

不安障害とうつ病、双極性障害は併存することが多いのです。

うつ病、双極性障害、不安障害の診断にこだわることはないでしょう。

今、苦しいのか?楽なのか?です。
薬に抵抗感を持っていませんか?

  • 病院でもらった薬をインターネットで調べたら「うつ病の薬」って書いてあった。あの先生、私のことをうつ病だって診断したわけ?私は『うつ』じゃないから、こんな薬は飲まない。嫌な医者!もう、あのクリニックは行かない。
  • うつに使うような薬だから、きっと強い薬だろうから飲まない。
  • 知り合いに同じ薬を飲んでいる人がいる。ずっと良くならないから変な薬だ。

「うつの薬」と言割れていることについては後に解説します。
薬に抵抗感
のある方がいます。薬はいろいろな心の状態を改善します。人間は生き物ですから、脳細胞が薬に反応して効果が出るのです。薬を飲むと人格が変わったり、わけがわからなくなってしまうわけではありません。ためしにしばらく説明された通りに飲んでみませんか?

一緒にやっていきましょう!

主な薬について説明します。

SSRI

選択的セロトニン再取り込み阻害薬。
脳の中にセロトニンという神経伝達物質があります。セロトニンが不足すると不安になったり、気分が落ち込んだりします。脳内のセロトニンを増加させて、安心感をもたらしたり、やる気が出るようにする薬です。
パキシル(パロキセチン)、ジェイゾロフト(セルトラリン)、デプロメール、ルボックス(フルボキサミン)、レクサプロ(エスシタロプラム)があります(デプロメールとルボックスは同じ薬です)。
安心して飲んでいただくために、いくつか説明をします。

SNRI

セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬。脳内のセロトニンだけではなくノルアドレナリンという物質も増加させます。両方増加させるのでSSRIより優れているというより、人によっていろいろ効き方が違います。SSRIより意欲がでると言われています。
繊維筋痛症など身体のあちこちが激しく痛む病気に効果てきめんです。神経学的に説明のつかず、他の鎮痛薬が効かない痛みに絶大な効果がある場合があります。
サインバルタ(デュロキセチン)、トレドミン(ミルナシプラン)、イフェクサー(ベンラファキシン)があります。

サインバルタは慢性腰痛症・変形性関節症・糖尿病性ニューロパチーにも適応があります。頭痛・ひどい肩こり・背部痛・腹痛・腰痛・坐骨神経痛にとてもよく効く場合があります。メンタル的に辛い人の中には、体のいろいろな症状を持っている人がいます。メンタルクリニックでは相談せず、整形外科や脳外科・消化器科などに通院している人がいます。サインバルタは身体的症状、特に痛みによく効きます。

NaSSA

ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬です。脳内のセロトニン、ノルアドレナリンを増加させる薬です。効果の発現が早く嘔気などの副作用が少ないと言われています。2社から発売され、リフレックス・レメロン(ミルタザピン)という薬です。メーカーが違うだけで全く同じ薬です。すでに後発品が発売されています。嘔気が出にくく、鎮静作用のある薬です。
眠気と食欲増強作用があります。よく眠れない人、食欲のない人に最適な薬です。半錠でよく効く人から3錠まで使う人がいます。寝つきは良いが、夜中に目が覚めてしまう人に処方しています。翌朝、眠気が残る場合は、目がすっきり覚めるように、時間を逆算したり、内服量を調整してのむと良いでしょう。

S-RIM

最近、トリンテリックスというセロトニン再取り込み阻害・セロトニン受容体調節剤の作用を持つ薬が発売されました。

非定型抗精神薬

リスパダール(リスペリドン)、ジプレキサ(オランザピン)、セロクエル(クエチアピン)、エビリファイ(アリピプラゾール)レキサルティ(ブレクスピプラゾール)、ラツーダ(ルラシドン)などがあります。双極性障害や統合失調症に保険適応がある薬です。食欲不振や不眠などに効果があります。

気分安定化薬

デパケン(バルプロ酸)、ラミクタール(ラモトリギン)、リーマス(炭酸リチウム)などです。てんかんに使われていた薬もありますが、脳の興奮を抑える薬です。双極性障害などに使われます。

診断=薬ではありません。薬を見て「私はこんな病気だったんだ」「あの先生、私をこんな風に見ているんだ。」と思う必要はありません。治療の現場ではいろいろ柔軟に使われています。薬の適応病名があなたの病気を決めているわけではありません。あなたの担当医がふさわしい薬を考えて処方しています。

わからないこと不安なことは気軽に質問して下さい。

不安障害といわれて処方された薬なのに調べたらうつ病の薬と書いてあった。

不安障害は悪化してくるとうつ病になります。原因が同じですから同じ薬が同じ容量で効果があります。ですから「うつ病」の薬ととして分類されてしまうのです。医師でも心療内科以外の医師はこのような薬を使ったことがないので知らないことが多いです。

効果はどのくらいで現れるの?

SSRI・SNRIは飲み始めて、3~4週間ほど経過してから効果が現れ始めます。初めのうちは吐き気、ふらつき、眠気などの副作用があらわれることが多いのですが、ほとんどの場合、1週間ほどで消失します。効果が表れなくても、心配しないで、内服を続けてください。徐々に、効果が出てきます。はじめのうちは、効果が出ないのに、副作用だけが出る薬なのです。心配性で困っている人に処方する薬なのに、心配が増してしまうような薬なのです。でも、信用して飲んでください。

SSRI・SNRIはこのように、飲み初めに副作用が出やすいので、少量から内服を始め、1~2週間の間隔で投与量を増やしていきます。

初めて、SSRI・SNRIを処方し、1週間後にクリニックにいらしたときに、医師が、「どうですか?」と伺ったとき、あなたは、「あんまり、変わらないんですけど、、、」と答えると思います。それで良いのです。症状は内服開始後、2~4週間で回復してくるので、きちんと飲めていたことが、回復に近づいていることなのです。4週目くらいから急に元気になってきます。薬の投与量と症状・副作用の推移

SSRI・SNRIが効いてくるまで苦しかったらどうするの?

救済的に速効性の抗不安薬(ソラナックス、アルプラゾラム、ワイパックス、ホリゾン、セルシン、デパス、リーゼetc)を単独で使ったり、交感神経を鎮めるベータ・ブロッカーと併用して使います。今の苦しい気持ち、不安感、動悸を和らげます。

依存性があるんじゃないの?

SSRI・SNRIは速効性ではなく、じっくり効いてくるので、苦しいからすぐ欲しいという薬ではありませんから、依存性ありません。

すぐやめらなくて危ない薬だと聞いているけど?

ついつい飲み忘れた、薬がなくなっても病院へ行く時間がなかった、もう良いと思ってやめた、こんな薬に頼らないようにしようと思った、など急にSSRI・SNRIをやめてしまう人がいます。そのときに、急に調子を崩したり、具合が悪くなる人がいるのでこんな風に言われてしまうことがあります。一部のSSRI・SNRIは中止する際に、ゆっくり、減量していくものがあるのです。

その理由は2つあります。

ひとつめは、調子が良くなっても、薬の効果で快調な人がいます。そういう状態の人が、薬を急に中止すると、また、内服を開始する前の状態に戻ってしまうかも知れません。徐々に減量して行き、調子が悪くならないのを確認していくのです。調子が悪くなったら、また、増量して調子を維持しましょう。

ふたつめは、離脱症状、中断症状といわれるものです。内服を急に中止して数日から1週間目位に、急に不快な感覚が現れます。すぐ、内服を再開してください。症状は消失します。そのままでも、数日で症状は消失します。

SSRI・SNRIは医師の指示をきちんと聞いて、内服をしていれば安心して内服できる薬です。

SSRI・SNRIはいつまで飲むの?

3~4週間で症状が改善してくると、いつまで薬を飲んでいなければならないのかが気になりだします。病気は薬だけでよくなるのでしょうか?薬を飲んで、安心感が出てきたり、意欲が出てくると、自信が出てきて、物事をうまくこなしていけるようになります。会議でしっかり発言したり、職場の上司や同僚と気安く話せるようになってくると、周りの人もあなたに気安く話しかけてくるようになります。周りが嫌な人ばかりだと思っていたのに、良い人に見えてきます。こうなってくるのには半年から1年くらいかかります。

「人は変えられないけど、自分は変えられる」

 

一緒にやっていきましょう!

薬がすべてではありません。相手の立場に立って考えてみる、相手の良いところを見る、人を受け入れやすくなります。うらみつらみ、腹立たしさが亡くなります。
不安障害の人は、周りの人をいらいらさせます。相手は自分を見ています。おどおどしたり、何度の確認をしたりとういう行動は、相手をいらつかせます。余計に怒られたり、邪険にされたりします。自分をプロデュースしてください。

ものの見方、受け止め方を変えるだけで、とても楽に生きていけます。

参考になるホームページ

TEL 0467-79-8348

~予約のご案内~
診察ご希望の方は予約をお願いいたします。
お電話にて比較的空いている時間帯をご案内させていただいております。

一番上に戻る
0467-79-8348再診専用予約システム求人情報
LINEで予約
看護師募集検査技師募集医療事務募集放射線技師募集